前回はハリウッドの「ブロックバスター」戦略および「海外市場」戦略についてご紹介しましたが、
今回はアメリカのTV業界についてご紹介します。
ハリウッドには、ビッグ6と呼ばれる、
世界でもトップクラスに大きな映画スタジオが存在します。
ディズニー、(フォックス)、ワーナー・ブラザーズ、ソニー・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、ユニバーサル・スタジオ、がそれに当たりますが、
それらは、一般的に知られている「映画製作」会社としての顔よりも、「TV番組制作」会社としての側面が大きくなっています。
アメリカにおいても、TV市場は映画よりもはるかに規模が大きく、
映画製作会社であってもビジネスとしては、TVを重視する必要があるのです。
では、映画を凌ぐ巨大市場であるアメリカTV業界で、
実際にTV番組はどういう風に作られているのかを見ていきましょう。
まずアメリカでは製作会社が企画をTV局に持ち込むという
「番組販売」のケースが多く存在します。
TV局に持ち込んだ企画から見込みのある作品だけが厳選され、
「パイロット」と呼ばれるデモ動画の制作を依頼されます。
デモ動画を見ながらTV局がどのシリーズを購入するかを検討し、そこから実際に放送されるのは約10本程。
さらに、そうして厳しい競争を切り抜けた作品でも、2年以内に打ち切られるものが約80%という「超」競争主義が成り立っています。
※具体的なスケジュールの例
こうした行程を経ている分、
TV局に番組を販売するだけでは到底まかなえないような巨額の製作費がかけられています。
そのため、こちらでも重要となってくるのが「海外市場」で、
「製作コストは国内TV局への番組販売で取り返し、海外市場で利益を積み上げる」といった方法が一般的になっています。
ちなみに日本とアメリカの1エピソードあたりの価格は以下の通り。
日本の映像業界はこれだけの予算の差がある中で、アニメやドラマでアメリカに勝つための戦略を考えていくという過酷な戦いを強いられています。アニメであれ実写であれ、日本と比べて破格のお金がかけられていることがわかります。
次回はNetflixを始めとするストリーミングサービス市場についてのご紹介です。
引き続き、TECHSコラムをお楽しみください!
written by まいしろ